ヒアル単独より深く、5剤併用より気軽に
──糸とヒアルで立体的に改善
「ヒアルロン酸を入れたけど、もう一歩物足りない」「5剤併用まではちょっと大袈裟」「機器系のじりじりした熱は苦手」──そんなご希望の方には、糸とヒアルの併用治療という選択肢があります。溶ける糸で組織を内側から支えながら、ヒアルロン酸で段差を埋める──物理的な支えと容積補充を組み合わせる、立体的なアプローチです。本コラムでは、混合型ほうれい線(O-M)に糸+ヒアル併用治療を実施した症例#1317を例に、院長 みにょんが解説します。
「糸+ヒアル併用」とは──物理的な支え+容積補充
この治療は、2種類の溶ける糸と ヒアルロン酸を組み合わせる、注射ベースの中間強度治療です。機器系(RFや超音波)は使いません。
💡ここが重要──「立体的」とはどういうことか
「立体的な改善」とは、顔の奥行きを使った多面的なアプローチのことです。糸が組織の中で 網目状に支えを作り、ヒアルが 残った段差を埋める。同じ平面上の治療を重ねるのではなく、深さ・面・段差を同時に改善することで、より自然で立体的な結果が得られます。
ヒアル単独では「容積を埋める」だけ。糸単独では「支える」だけ。両方を組み合わせることで、1+1=3の相乗効果が生まれます。
3剤それぞれの役割──「支え」と「補充」の組み合わせ
本症例で使用した3剤の機序的役割分担をご紹介します。
| 治療名 | 対象の層 | 役割(何をするか) | |
|---|---|---|---|
| ① | ミントリフト | SMAS層 | PLLA系吸収性糸でSMAS層を 物理的にリフト。組織再生も促進。 |
| ② | ショッピングリフト | 真皮層 | 極細吸収性糸を網状に配置し、真皮の メッシュ補強を作る。 |
| ③ | ヒアルロン酸 | 真皮・皮下 | 糸で支えられた組織の 段差を補完的に埋める。容積過剰を防ぐ。 |
このように、糸2種類で物理的な支えを作ってから、ヒアルで仕上げの段差補完を行うのが本治療の核心。3剤が「足し算」ではなく「補完的相乗効果」を生み出します。
「ヒアルロン酸を入れたら膨らんだ」を防ぐ仕組み
ヒアルロン酸の単独使用には、「混合型に入れると顔が膨らみすぎる」というリスクがあります。これは、皮膚に余裕がない段階でヒアルを入れると、容積過剰になりやすいためです。
ヒアル非適応原則の正しい理解
JANPD診断基準には 「ヒアル非適応原則」があります。これは 「ヒアルを全否定する」原則ではなく、「使い方を選ぶべき」原則です。混合型・皮膚由来の症例で ヒアル単独補充は注意が必要ですが、糸との併用なら機序的に整合する──支えが先にあるので、ヒアルは膨らみすぎず、補完的に機能します。これが本症例で糸+ヒアル併用を選んだ理論的根拠です。
O-M(混合型)の3戦略強度を俯瞰する
混合型ほうれい線(O-M)には 3つの戦略強度があり、本症例(#1317)は 中間強度に位置します。
皮膚質改善のみ。形は変えない、ダウンタイムなし。「ナチュラルに整えたい」方向け。
物理的支え+容積補充。「ヒアル単独より深く、5剤併用より気軽に」立体的改善。
全層同時介入。「本気で変えたい」方への多層介入アプローチ。
みにょん式N分類とE-Signテストで自分のタイプを知る
N分類はほうれい線の本数で判定。N1(1本)は進行軽度、N2(枝分かれ)は皮膚由来関与あり、N3(束状)は皮膚由来優位。本症例(#1317)はN1──進行軽度の段階でした。
E-Signテストは「イー」発音時の口横変化で判定。E0は脂肪由来優位、E1は皮膚由来関与あり、E3は皮膚由来優位。本症例はE1──混合型の典型でした。
JANPD派生診断──あなたはどのタイプ?
脂肪由来
N1/O-F/S型 + E0頬の脂肪が原因タイプ
皮膚自体は良好。オンダリフト(RF)またはFat X(脂肪溶解)で完結します。糸+ヒアルは過剰治療。
混合型
N1/O-M/S型 + E1脂肪+皮膚 両方が関与
3戦略強度から選択。本症例は 中間強度の糸+ヒアル。物理的支え+容積補充で立体的に改善。
皮膚由来
N1〜N2/O-S/S型 + E3皮膚のたるみが主因
ヒアル単独では悪化リスクあり。ソフウェーブで縮める+エラビエリトゥオで補充の2ステップが正解。
タイプ別の正しい治療選択
タイプ別 治療ガイド
オンダリフト・Fat Xで完結。脂肪層への単独介入で十分。糸+ヒアルは不要です。
3戦略から選択。本症例は 中間強度の糸+ヒアル。「ヒアル単独より深く、5剤併用より気軽に」立体改善を目指す方に最適。
ソフウェーブで縮める+エラビエリトゥオで補充の2ステップ。糸+ヒアルは皮膚由来の主因に対応していません。
症例#1317:糸+ヒアル併用治療のBefore/After
Beforeでは、口角周辺の段差と 口元のもたつきが目立っていました。Afterでは フェイスラインがリフトされ、口元のシャープさが回復し、ほうれい線の段差も緩和。糸で組織が支えられたことで、立体的に整った印象になっています。
糸+ヒアル併用治療の特徴は、効果の発現が2段階に分かれることです。糸による物理的支持効果は施術直後から現れ、その後 2〜3ヶ月かけてコラーゲン産生が進行し、皮膚そのものも内側から強化されていきます。
なぜ「糸+ヒアル」を選んだのか
本症例の患者様は、「ヒアルを過去に試したけど物足りなかった」「機器のじりじりした熱は苦手」「ダウンタイムは少しなら取れる」というご希望でした。診察でN1/O-M/S+E1(混合型・進行軽度)と判定。混合型に対しては3つの戦略強度から選べますが、患者様の 「立体的に変えたいけど、機器系は避けたい」という価値観から、糸+ヒアル併用(中間強度)を選択しました。
重要なのは、ヒアルロン酸を 「単独で入れる」のではなく、糸との併用で位置づけたこと。糸が先に支えを作ることで、ヒアルが膨らみすぎず、補完的に機能します。これが 「ヒアルロン酸非適応原則」を厳密に守りつつ、適切な併用で活用する臨床的な工夫です。
糸+ヒアル併用治療の詳細
糸+ヒアル併用 ── 物理的支え+容積補充の立体改善
数ヶ月間隔
〜44,000円
数日〜1週間
糸(ミントリフト・ショッピングリフト)は すべて吸収性です。体内で6ヶ月〜1年かけて溶けますが、その間にコラーゲン産生を促進し、糸が溶けた後も組織の支持が残ります。ヒアルロン酸は 糸の支持構造の上から、段差を補完的に埋める役割を果たします。
効果は施術直後から実感でき、2〜3ヶ月かけて漸進的に深化。最終的に 1〜2年程度持続します。年1回のメンテナンスで効果を継続できます。
💡結論──「立体改善」という第3の選択肢
混合型ほうれい線には、最小(プロファイロ単独)・最大(5剤併用)・中間(糸+ヒアル)の3戦略があります。糸+ヒアル併用は 「ヒアル単独より深く、5剤併用より気軽に」という中間ニーズに最も適した選択肢です。
本症例の患者様は、機器系を避けながらも立体的な改善を求めたからこそ、糸+ヒアル併用が機序整合的に成立しました。「自分の価値観に合った戦略強度」を選ぶ──これがO-M治療で結果を出す鍵です。
⚠️ご注意
本コラムは医学的な情報提供を目的としており、特定の治療効果を保証するものではありません。糸リフトには 引きつれ感・凹凸・違和感などのリスクがあり、ヒアル併用にも個別のリスクが存在します。正確な判断は医師による診察が必要です。患者様の病態・ご希望のバランスから最適な治療をご提案します。
施術の主な内容・リスク・費用
| 施術名 | 糸+ヒアル併用治療: ① ミントリフト(PLLA系吸収性糸リフト・SMAS層支持) ② ショッピングリフト(極細吸収性糸・真皮メッシュ補強) ③ ヒアルロン酸(容積補充) |
|---|---|
| 治療内容 | 溶ける糸2種類で組織を物理的に支え、ヒアルロン酸で補完的に段差を埋める注射ベースの併用療法。機器系(RF・超音波)は使用しない。 |
| 治療期間・回数 | 糸:1〜2回、ヒアル:1〜2回(数週間〜数ヶ月の間隔)。総合的な最終効果は3〜6ヶ月で安定。 |
| 費用 | 各治療 1回 9,900円〜44,000円(税込・本数・薬剤量により変動)。組み合わせコース割引あり。最新価格は当院公式サイト・カウンセリングにて確認可能。 |
| 主なリスク・副作用 | ・施術後の腫脹・内出血・痛み(通常1〜2週間で軽快) ・糸の引きつれ感・凹凸(極稀、調整可能な場合あり) ・施術部位の硬結・違和感(数日〜数週間) ・極稀に血管塞栓(ヒアル系)・感染 ・薬剤・糸へのアレルギー反応 ・効果には個体差あり、期待した効果が得られない場合もある |
| 禁忌・適応外 | 妊娠中・授乳中・ヒアルロン酸製剤アレルギー既往・施術部位の急性炎症・自己免疫疾患の活動期・出血傾向のある方などは適応外となる場合あり。カウンセリングにて医師判定。 |
| 未承認薬剤・ 機器の有無 | 本治療で使用する一部の薬剤・糸の薬機法における承認状況については、医師の責任で使用しています。詳細はカウンセリングにて説明します。 |
よくあるご質問(FAQ)
医師向けの詳しい学術解説はこちら
本症例の機序解説・分類根拠・治療選択の医学的論拠については、当院院長が主宰する 日本ほうれい線・口横ドレープ研究会(JANPD)の公式症例ショーケースで詳しく解説しています。ヒアル非適応原則(G-008)の臨床応用例として、医師・専門職向けに完全公開しています。
JANPD公式症例#1317 を読むまとめ──「中間強度」という第3の選択肢
糸+ヒアル併用治療は、混合型ほうれい線における「中間強度」の選択肢です。「ヒアル単独では物足りないけど、5剤併用までは大袈裟」「機器系のじりじりは苦手」というご希望に最も適しています。糸で支え、ヒアルで埋める──物理的支持と容積補充の相乗効果で、立体的な改善が得られます。
これでO-M(混合型)の3戦略すべてが揃いました。「自分の価値観・ライフスタイルに合った戦略強度」を選ぶ──みにょんクリニック銀座では、診察でJANPD診断を行い、患者様一人ひとりに最適な治療をご提案します。
「糸リフトが自分に合うか知りたい」「ヒアル単独より深く改善したい」── 無料カウンセリングで、あなたのタイプと最適な治療強度をご提案します。お気軽にお問い合わせください。
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