COLUMN|スキンブースター
ジュブアセルは打ったあと、肌の中で何をしている?
3つの段階と、3%・8%の中身の違い
監修:宋 珉英(Song Minyoung, MD)
「ジュブアセルって、コラーゲンを入れるんですよね?」と聞かれることが増えました。半分は正解です。でも、ジュブアセルの本当の面白さは、入れたあとに肌の中で起きることにあります。
結論
ジュブアセルは、ヒトの真皮から細胞を取り除いた「肌の足場」を届ける注射です。
入れた足場に自分の細胞が集まり、時間をかけて自分の組織になじんでいく。だから変化は、数週間かけて少しずつ現れます。
ネットの情報がバラバラな理由
ジュブアセルを調べると、「コラーゲンをそのまま注入」「毛穴に効く」「液状だからそのまま打てる」「粘性が高いので水光注射と混ぜる」と、書いてあることがクリニックごとに違います。
どれかがうそ、というわけではありません。ジュブアセルは濃度も使い方も幅が広い製剤なので、それぞれが自分の使い方の一部だけを切り取って紹介しているのです。このコラムでは、そのばらばらな情報を一本の線でつなぎます。
ジュブアセルの正体は「肌の足場」
私たちの真皮は、コラーゲンやエラスチンが網の目のように組み合わさった構造でできています。この網の目を、細胞外マトリックス(ECM)と呼びます。年齢とともに、この網の目は細く、まばらになっていきます。
ジュブアセルは、ヒトの真皮から拒絶反応のもとになる細胞だけを取り除き、このECMを残した製剤です。中には、コラーゲン、エラスチン、成長因子などが含まれています。
製品は1ccずつのシリンジに入った液状タイプです。粉末を水で溶かす工程がいらないため、製造元はダマになりにくい点を特長に挙げています。細胞を取り除く工程では、界面活性剤の代わりに高圧の二酸化炭素(超臨界CO₂)を使っていると説明されています。
注入したあとに起きる3つの段階
ここからが本題です。製造元や韓国の医療機関は、ジュブアセルが肌の中で次の3つの段階を経てなじんでいくと説明しています。
1. 足場を補う。弱くなった真皮に、肌の骨組みの役目をするECMを直接届けます。英語では「スキャフォールド(足場)」と呼ばれます。
2. 自分の細胞が動き出す。届いた真皮の粒子に、自分の線維芽細胞が取りつき、コラーゲンをつくる働きが促されます。
3. 自分の組織になじむ。時間がたつにつれて新しい血管が通い、自分の組織の一部のように定着していくとされています。
入れたものが「足場」になり、そこに自分の細胞が集まってくる。打った日がゴールではなく、スタートです。
「コラーゲンをそのまま入れる」という説明が半分しか正しくないのは、このためです。入れたコラーゲンそのものより、そこに自分の細胞が集まって起きる変化のほうが、ジュブアセルの本質に近いと私は考えています。
3%と8%、中身はどれくらい違う?
ジュブアセルには3%と8%があります。容量はどちらも1ccで、違うのは中に入っているヒト真皮マトリックスの量です。
| ジュブアセル3% | ジュブアセル8% | |
|---|---|---|
| 容量 | 1cc | 1cc |
| ヒト真皮マトリックス | 30mg | 80mg |
| コラーゲン量(目安) | 約24〜27mg | 約64〜72mg |
| 主な使い方 | 軽めの肌管理、はじめての方に | ハリを集中的に、わずかなボリューム感に |
8%は3%の2倍以上のマトリックスを含んでいます。ただし「濃いほうがいい」という単純な話ではありません。肌の厚みや、どこに何を届けたいかで選びます。
「そのまま」と「薄める」は、どちらも正解
冒頭の「そのまま打てる」「水光注射と混ぜる」という食い違いも、ここで解けます。製造元のプロトコルでは、8%をそのまま使うこともあれば、局所麻酔薬や非架橋ヒアルロン酸、PDRNと混ぜて、4%、2%、1.6%と濃度を下げて使うこともあります。
そのまま使えば、ハリを支える力が強くなる。薄めれば、広い範囲になじませやすくなる。注入も、手での注射のほか、カニューレや注入機器を使うことがあります。濃度ごとの組み合わせは、ジュブアセルの診療内容ページに表でまとめています。
ヒアルロン酸フィラーとは何が違う?
「ボリュームが出るなら、フィラーと同じですか?」という質問もよくいただきます。目的がまったく違います。
| ヒアルロン酸フィラー | ジュブアセル | リジュラン | |
|---|---|---|---|
| 入れるもの | 架橋ヒアルロン酸 | ヒト真皮マトリックス | PN(サーモン由来) |
| 考え方 | 形をつくる・量を足す | 肌の土台を補う | 回復力を後押しする |
| 変化の出方 | 入れた直後から | 数週間かけて少しずつ | 回数を重ねて少しずつ |
ジュブアセルは、顔の形を変えるほどのボリュームを足す注射ではありません。肌のキメ、小じわ、内側の乾燥、毛穴など、「皮膚そのもの」の質を整えるための選択肢です。
こんな方はご相談ください
- 水光注射を続けているのに、ハリやツヤの変化を感じにくい
- 毛穴やキメ、細かいしわが気になってきた
- 皮膚が薄くなってきた気がする
- フィラーで形を変えるのではなく、肌の質を整えたい
- ジュブアセルとほかのスキンブースター、どれが合うかわからない
当院では2026年11月10日から、ジュブアセルの施術を始めます。リジュラン、ジュベルック、エラビエRe2O、セルディエムも扱っているので、ジュブアセルが合わない肌には、正直に別の選択肢をお伝えします。
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未承認医薬品等に関する表示
ジュブアセルによる治療は自由診療で、公的医療保険は適用されません。効果には個人差があり、主なリスク・副作用として、注射部位の痛み・赤み・腫れ・内出血・小さな膨らみ・しこり・感染・アレルギー反応などがあります。
ジュブアセルは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医薬品等です。当院医師の判断のもと個人輸入により入手しています(厚生労働省「個人輸入において注意すべき医薬品等について」をご確認ください)。同一の成分・性能を有する国内承認医薬品等はありません。諸外国における安全性等に係る情報:韓国でヒト組織由来の製品として製造・流通しています。重篤な副作用が生じた場合、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。